「腰痛・膝痛のある人にとって、ウォーキングは意外と負担が大きい?ガイドラインと臨床の視点から“安全な始め方”を解説。」
「最近運動不足だからウォーキングを始めよう!」は、ちょっと待って!
こんにちは。
長野県・上伊那地域で整体院を営む「ゆらぎ健康調整院」の矢ヶ崎です。
今日はとても相談の多いテーマ、「運動不足だから歩こうと思っている」という話題についてお伝えします。
結論から言うと、腰や膝に痛みがある方は、いきなりウォーキングを始めるのは注意が必要です。
ウォーキングは本当に“体にやさしい運動”?
「ウォーキング=健康的」というイメージを持つ方は多いと思います。
もちろん、運動習慣のない方にとってはとても良い選択肢ですし、有酸素運動としての効果もあります。
ただし、腰痛や膝痛を抱えている人にとっては、必ずしも最適な運動とは限りません。
歩くとき、膝には体重の2〜3倍の負荷がかかることがわかっています。
さらに腰にも、一定の反りやねじれが繰り返し加わるため、痛みが強い時期は悪化することもあります。
「歩けば改善する」と思って頑張って続けたら、逆に痛みが強くなるケースを、臨床でもたくさん見てきました。
ガイドラインでも“痛みが強い時”の運動には注意!
日本整形外科学会の腰痛ガイドラインでは、
運動療法は推奨されていますが、痛みを悪化させない範囲で行うことと明記されています。
つまり、
「運動不足=ウォーキングが正解」というわけではなく、
体の状態やタイミングによって、選ぶ運動は変えるべきなんです。
特に慢性痛を抱える50〜60代の方の場合、筋力や関節の状態、姿勢のクセが積み重なっているため、まずは“歩ける準備”を整えることが大切です。
まず整えるべきは「日常の何気ない動き」
痛みがある状態でウォーキングを始める前に、ぜひやってほしいことがあります。
それは、日常動作を見直すことです。
例えば
・椅子から立ち上がるときの腰の反り
・階段を上るときの膝の向き
・洗濯物を持ち上げる姿勢
・立っている時の呼吸の使い方
こうした“何気ない動作”が痛みを作っていることは、とても多いです。
ここが整っていないままウォーキングを増やすと、症状が悪化することがあります。
逆に、日常の動きを整えることで、体幹の安定性が高まり、歩くときの負担が自然と減っていきます。
ウォーキングは「痛みが落ち着いた後」に取り入れると効果的
もちろん、どこにも痛みがない方にとって、ウォーキングはとても良い運動です。
血流改善、血糖値コントロール、ストレス軽減など多くのメリットがあります。
ただ、慢性腰痛や膝痛がある方は、
歩ける体を作ってから歩くという順番が大切です。
この順番を守ることで、再発予防にもつながりますし、歩くこと自体が楽しく感じられるようになります。
まとめ:運動は「タイミング」と「順番」で決まる
「運動不足だから歩こう」
その気持ちはとても素晴らしいです。
ただ、痛みがある時期は焦らず、まずは痛みの出ない動き方を取り戻すこと。
その上で、ウォーキングを“第二ステップ”として取り入れるだけで、体は大きく変わります。
あなたの体にとって、本当にやさしい運動を選んでいきましょう。
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