健康的と思っていた食習慣が、実は身体の負担になっているかもしれません
フルーツというと「体に良い」「自然の甘さでヘルシー」というイメージがあります。
ビタミンや食物繊維も豊富で、健康的な食べ物として長く親しまれていますよね。
しかし、慢性的な肩こり・腰痛・ふくらはぎの張り・疲労感などでお悩みの方の食生活を詳しく伺うと、
フルーツの“量”と“甘さ”が身体の負担になっているケース が少なくありません。
この記事では、
・フルーツはどれくらい食べるのが適量なのか
・果糖(フルクトース)が身体に与える影響
・最近の果物が昔と比べて甘くなっている理由
・慢性痛との関係
これらを科学的にわかりやすく解説していきます。
1. フルーツの甘さの正体は「果糖(フルクトース)」
フルーツの甘みは「果糖」という糖質です。
この果糖は、砂糖やブドウ糖とは代謝される場所と仕組みが大きく違います。
●果糖の特徴
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ほぼ100%が肝臓で代謝される
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血糖値が上がりにくい → 食べすぎに気づきにくい
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インスリンを使わず脂肪に変換される
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余ると 中性脂肪になりやすい
つまり、
「自然の甘さだから安心」というわけではなく、
摂りすぎると体に負担がかかりやすい糖質 でもあるのです。
2.果糖のとりすぎが起こす“3つの問題”
適量であればフルーツは健康的な食材です。
しかし現代の果物の甘さと量を考えると、果糖の過剰摂取が起こりやすくなっています。
ここでは、果糖をとりすぎたときに体で起きる3つの変化を説明します。
① 肝臓への負担(脂肪肝リスクの上昇)
果糖は肝臓でしか処理できません。
そのため、短時間に大量の果糖が入ってくると、肝臓は上手く処理しきれなくなります。
その結果、
・脂肪肝になりやすい
・肝機能の低下
・慢性的なだるさ
といった症状が現れます。
② 中性脂肪が増えやすい
果糖はエネルギーとして使われにくく、あまった分は中性脂肪になります。
中性脂肪が増えると、脂肪細胞から炎症物質(アディポカイン)が分泌され、
慢性的な炎症体質になりやすいと言われています。
炎症体質は、
・肩や腰の痛みが取れにくい
・関節痛が長引く
・疲労感が抜けない
などの原因にもなります。
③ 糖化(AGEs)を進める
果糖は、ブドウ糖の10倍以上「糖化しやすい」性質があります。
糖化とは、余った糖がタンパク質と結びつき、“コゲ” のように固まってしまう反応のこと。
糖化によって生まれるAGEs(終末糖化産物)は、
・筋肉
・筋膜
・腱
・血管
などの柔軟性を落とし、硬さや炎症の原因になります。
結果として、
筋肉が伸びにくい・張りやすい・動かしにくい
といった慢性痛につながるのです。
3.最近のフルーツは“昔と別物レベル”で甘くなっている
果糖の注意点がさらに重要になる理由があります。
それは、現代の果物は昔より圧倒的に甘い ということです。
●現代の果物の特徴
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品種改良により糖度が大幅に上昇
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「酸味の強い果物」はほとんど市場に残らない
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旬だけでなく、季節外れでも甘い果物が出回る
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スイーツとの組み合わせで摂取量が増える
糖度15〜20度の果物は珍しくありません。
これは、ケーキに近いレベルの甘さです。
昔と同じ感覚で「フルーツは体にいいから」と食べてしまうと、
現代では簡単に果糖過多になってしまいます。
4. では、フルーツはどれくらい食べれば良いのか?
厚生労働省や海外のガイドラインでは、
1日の果物量は 80〜150g とされています。
しかしこれは「昔ながらの果物の糖度」を想定している数字です。
現代の果物の甘さを考えると、
実際には 半分くらいが適量 と考えるのが安全です。
●目安としては
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みかん:1〜2個
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りんご:4分の1個
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柿:半分
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バナナ:半分
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ブドウ:片手ひと握り
これが“1日の量”としてはちょうど良い範囲です。
「健康のために」と思って果物を多く食べる方は、
実は果糖のとりすぎによって身体を重くしてしまっているケースが多いのです。
5. フルーツと慢性痛の関係まとめ
フルーツ自体は悪者ではありません。
しかし、現代の果物の甘さと量、そして果糖の代謝を考えると、
慢性痛がある方は “量と頻度” を意識する必要があります。
●果糖のとりすぎで起こること
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肝臓の負担
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中性脂肪増加 → 体内炎症
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糖化(AGEs)による筋肉・血管の硬化
これらが重なると、
肩こり・腰痛・関節痛・足の張り が治りにくくなります。
まとめ
フルーツは、適量であれば健康的な食品です。
しかし現代では、昔とは比べ物にならないほど甘く、量も多くなっています。
慢性痛に悩む方は、
まず「どれくらい食べているか?」を一度見直してみてください。
食生活を整えることは、
筋肉や関節の状態を改善するための“最初の一歩”です。
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