整体師が本音で語る、体重と痛みの“本当の関係”
▶︎ この記事は、stand.fmで音声でも配信しています
気軽に聴きたい方はこちらからどうぞ!
https://stand.fm/episodes/68c574c63ad344ca180648e3
今回のテーマは『痩せないと膝の痛みは治らない?』というテーマでお話しします。
この話は本当に多くの方からいただく質問で、
「膝痛くて、病院に行ったら、先生に体重を減らさないと痛みは治らないと言われたんです」
「膝の痛みって、やっぱり私が太っているせいなんですか?」とか聞かれる事がおおいんですよね
今日はこの痩せないと膝の痛みは治らないのか?問題についてお話ししていきたいと思います。
私の経験上、一概にそうとも言い切れないんじゃないかな?と思ってまして「太っている=膝が痛い」とは言えないかもしれません。
確かに、体重が膝に与える影響は科学的に証明されています。
有名な研究に「フラミンガム・スタディ」というものがあります。
これは、アメリカで何万人もの住民を数十年にわたって追跡し、生活習慣と病気の関係を調べている大規模な疫学研究です。
心臓病のリスク因子などを明らかにしたことで世界的に有名になった研究ですが、実は膝の病気、つまり変形性膝関節症との関係も調べられています。
その結果、体重が増えるほど膝にかかる負担は大きくなり、膝の病気のリスクも高くなることが実際報告されました。
具体的には、体重が1kg減ると、歩くときの膝への負担は3〜4kg分も軽くなるそうです。
つまり、体重の増減が膝への負担に影響しているのは事実であろうという事ですね。
ただ、私は痛みの原因ってそれだけとは限らないと考えています。
私自身、整体師として、日々、腰や膝の痛みに悩む方を日々みさせてもらっていますが、太っている方でも膝が痛くない人はいますし、逆に痩せている方でも強い痛みに悩まされる人もいます。
体重の増減にかかわらず、膝痛に大してちゃんと適切なケアをおこなっていけば、基本的に痛みはほとんど改善していきます。
つまり、体重は確かに大事な要素ですが、それだけが原因ではないんです。
むしろ、筋肉の強さや姿勢のバランス、食生活や体質の違いのほうが影響しているケースも多くあります。
では、膝の痛みを改善するにはどうしたらいいのか。
例えば体重を減らして、膝への負担を減らそうと考えた場合、無理に10kgも20kgも落とす必要はありません。
研究では、体重の5〜10%を減らすだけで、膝の痛みが30〜50%軽くなる、といわれています。
例えば、60kgの方なら3〜4程度減らすだけでも実感がある、ということです。
さらに、股関節や膝回り、足首などを適切にほぐして、筋肉の働きを整えてあげる事で、痛みは改善していきます。
実際に、太ももの前の筋肉「大腿四頭筋」をしっかり鍛えることで、膝の安定性が増し、体重に関わらず痛みが改善するケースも多く報告されています。
さらに関節の痛みには、食事の取り方も深く関わっています。ここでは、深くはふれませんが、砂糖や加工食品を減らし、野菜や魚、オリーブオイルといった抗炎症作用のある食事を意識することで、膝の炎症を抑える効果が期待できます。
膝の痛みは「太っているから」と一言で片付けられるものではありません。
体重は確かに影響しますが、それだけが原因ではなく、筋肉、姿勢、食事、体質など、いくつもの要素が関わっています。
だからこそ、「痩せなきゃ…」と落ち込む必要はありません。
大切なのは、少しずつできることを積み重ねていくこと。
それが膝の痛みの改善につながります。
もし不安なことがあれば、一人で抱え込まずにお近くの専門家に相談してみてください。