慢性痛と運動療法の関係性についての研究

「慢性的な腰痛には、運動が良いらしい。」
そんな言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。
でも、実際のところ——
運動って本当に効果があるの?
どんな運動が、どんな腰痛に効くの?
そう疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、その疑問に医学的な視点から答えるべく、信頼性の高いメタアナリシス(複数の研究を統合して分析する方法)をご紹介します。
■ 概要:慢性腰痛に対する運動療法の効果を検証
紹介するのは、「慢性腰痛に対する運動療法の効果」をテーマに行われたメタアナリシスです。
これは、複数の無作為化比較試験(RCT)をもとに、科学的に統合・解析された信頼性の高い研究です。
この研究の目的は、「運動療法が本当に慢性腰痛を改善するのか?」を、数値として明確に示すこと。
■ 詳細:何を調べ、何がわかったのか?
分析対象となったのは、慢性腰痛を抱える成人を対象に、さまざまな運動療法(体幹トレーニング、有酸素運動、ストレッチ、ヨガなど)が行われたRCTの数十件。
研究では以下のようなポイントが評価されています。
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痛みの強度の変化(VASスコアなど)
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身体機能の改善(歩行、可動域、筋力など)
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QOL(生活の質)への影響
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その結果、多くのRCTで運動療法が痛みを有意に軽減し、身体機能の向上にも貢献していることが報告されました。
■ 事例:特定のエクササイズが痛みを減少させた研究
例えば、あるRCTでは、コアスタビリティ(体幹の安定性)を高めるエクササイズを週2回・8週間実施したグループにおいて、
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痛みの強度(VAS)は平均で30%以上軽減
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腰部の可動性とバランス能力も向上
という結果が得られました。
一方、比較対象となるグループ(教育のみ、安静指導のみ)では、症状の改善は限定的でした。
■ 現場の視点から:なぜ「動かすこと」が大切なのか?
私たちの身体は「動くことで循環し、整う」ように設計されています。
特に慢性腰痛のように長く続く痛みは、筋肉・神経・血流・自律神経のすべてが関係する複雑な状態です。
だからこそ、「動かすこと」「筋肉を活かすこと」は非常に重要。
安静にするだけでは、むしろ筋力が低下し、血流が悪くなり、回復が遅れてしまうこともあるのです。
■ 当院での実践:研究×現場の融合
当院でも、こうしたエビデンスに基づく運動療法を取り入れています。
一人ひとりの状態や体力、痛みの部位に応じた「完全オーダーメイド」のプログラムです。
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朝のこわばりが強い方には、呼吸と連動した関節モビリティ
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長時間の座り仕事が多い方には、骨盤・股関節連動エクササイズ
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糖質過多や血流低下がある方には、血糖値コントロールに合わせた運動指導
化学的な根拠に基づいた慢性痛改善に特化したプログラムを実践しています!
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