まず、血液がドロドロになるとはどういうことかというと、血液中の糖分や脂質、老廃物が増え、サラサラと流れにくい状態を指します。

このような状態になると、まず起こるのが**「血流の低下」**です。
血液の流れが悪くなると、身体のすみずみまで酸素や栄養が届きにくくなり、次のような問題が起こりやすくなります。

• 筋肉に酸素が届かない → 疲労物質がたまりやすく、だるさや痛みが出る

• 神経への栄養が不足 → 痺れや感覚の鈍さが起きやすくなる

• 細胞の修復力が低下 → 炎症が起きやすく、痛みが長引きやすくなる

• 自律神経が乱れやすくなる → 頭痛、冷え、倦怠感などの慢性不調にも影響

血液の状態が悪いと、まさに体の中の“配達システム”が機能しにくくなるわけです。

血液の中には、酸素を運ぶ「赤血球」という細胞があります。
この赤血球は通常、丸くてやわらかく、細い毛細血管でも自由自在に形を変えて通り抜けることができます。

ところが、**血糖値が高い状態が続くと、この赤血球が“硬くなる”**ことがわかってきました。

赤血球が硬くなると、細い血管を通りにくくなり、酸素を届ける能力が低下してしまいます。
つまり、体内の「酸素不足」が慢性的に起こるということです。

この酸素不足は、筋肉の緊張を引き起こし、関節の可動域を狭め、神経の過敏さを招くなど、あらゆる「痛み」「だるさ」「しびれ」といった不調の温床になります。

高血糖の状態では、血液中に糖が多すぎて「糖化」という現象が進みます。
これは、血液中のタンパク質や脂質が糖とくっついて変性し、本来の働きができなくなる現象です。

糖化が進むと、

• 血管内の壁が傷つきやすくなる

• 血液がネバネバして、流れにくくなる

• 赤血球の変形能力が落ちる

といった変化が起こり、結果として**「血液がドロドロ」→「血流が悪くなる」→「痛みや不調が起きやすくなる」**という悪循環が完成してしまいます。

痛みや不調がなかなか改善しないとき、「筋肉が悪いのかな？」「骨が歪んでるのかも？」と構造的な原因ばかりを探しがちですが、
実はその前に見直したいのが、「血液」と「血流」の状態です。

そしてその血液の質に大きく関わっているのが、日々の血糖コントロールです。

血糖値を安定させることで、血液の流れが良くなり、体の隅々まで酸素と栄養が届くようになります。
その結果、筋肉の柔軟性が戻り、神経の過敏さが落ち着き、痛みが改善していくというケースは非常に多く見られます。

あなたの今の不調、もしかすると“血糖”がカギを握っているかもしれません。
内側から体を整える視点、ぜひ意識してみてください。